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Google Scholarの引用について(引用数や引用元について)
Google Scholarの引用について(引用数や引用元について)詳しくご紹介します。
そもそも、「引用元」という言葉や指標の意味が分からないという方はもちろん、引用方法や、ソートの方法などについても詳しくご紹介します。
Google Scholarの引用元とは?
論文の執筆時に使われる「引用」とはは、その論文を書くにあたって、他者の著作物(文章、図、表など)を用いることを指します。
論文を閲覧しているユーザーは、引用元となっている論文を知ることによって、調べたいことの知識をより深堀することができます。
Google Scholarでは、ある論文の内容の中で、引用元となっている論文を調べたり、その論文自体が、どのくらい他の論文に引用されているかなどを知ることができます。
Google Scholarを利用する多くのユーザーは、論文が「どのくらい他の論文に引用されているか」を調べます。その理由として、“多くの論文に引用されている=信用度の高い論文”と考えることもできるからです。
そのため、論文の執筆者が、Google Scholarのユーザーに論文をたくさん見てもらうためには、多くの著者に引用されることが重要になってきます。
Google Scholarの引用方法(書き方)
Google Scalarの引用方法についてご紹介していきます。まず、引用スタイルには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を以下にまとめています。
引用スタイル
論文を執筆するにあたって、引用文献の記載方法にはいくつかの種類があります。
「APA」「MLA」などがそのスタイルで、カンマを打つのか、斜体の指定にするかなど、細かく指定があります。
それぞれどのスタイルで記述するのかを決めて、決めたスタイルに沿って記述するようにしましょう。
Google Scholarを利用して引用情報を取得する
引用したい文献を検索し、「引用」をクリックします。
表示されたポップアップウィンドウから、引用テキストの表示方式を選択します。今回は「BibTex」を選択します。
ブラウザ上に引用テキストが表示されるか、引用テキストが記載されたファイルがダウンロートされるので、その内容をコピーして論文に記載します。
以上が、Google Scholarを利用して引用情報を取得する手順です。
被引用数順にソートする
引用数の多い論文順にソートしたいという方も多いと思いますが、そういったメニューや設定は残念ながらありません。
ただし「関連性で並び替え」というソートを行うと、被引用数が多い文献は自動的に上位に表示される傾向があります。
検索結果の表示画面の左メニューから「関連性で並び替え」をクリックします。
以上で並び替えは完了です。
あくまで、被引用数が多いものが上位に表示される傾向にある、ということなので、検索キーワードとの一致度など、他の尺度により必ずしも被引用数が高いもの順になるわけではないのでご注意ください。
なお、プログラミング言語のPythonを使って、引用数順に論文を検索するシステムを構築するという方法もあります。システム構築の手間はかかりますが、プログラミングに精通している方などはトライしてみるとよいかもしれません。
引用数が減った
上記で、論文を多くの方に見てもらうには、引用数を増やすことが重要であるとお伝えしましたが、その数値が減るという現象があるようです。
基本的に、論文がいきなり何本も減るということは考えにくいため、何かの不具合の可能性があります。
実際に、引用数が減ったということが起きた際は、「ひとつの論文に対して複数の引用情報が出来てしまっている」ということが原因となっていたようです。
同じ論文の「別の引用情報」が生まれ、そちらに引用件数が分散してしまったということのようで、それら重複する情報を結合すれば、元の数に戻ります。手順としては以下の通りです。
- Google Scholarのプロフィールページにある論文リストの「+」のアイコンをクリックします
- 「論文を追加」をクリックして、入力画面を開き、統合したい別の引用情報を見つけます
- 別の引用情報にチェックを入れ、画面右上の「チェック」ボタンをクリックします
- 元々の引用情報と、先ほど見つけた別の引用情報が表示される画面が開くので、双方にチェックを入れ、「結合」をクリックすると、結合が完了します。引用数の情報を再び調べてみてください。
h-indexの調べ方
h-index(h指数)とは、アメリカの物理学者、Jorge E. Hirschさんが、2005年に発表した指標です。発表している論文の数と、その論文の質のバランスが良い研究者かどうかを判断するための指標です。
Google Scalarでh-indexを調べる方法は以下の通りです。
- Google Scholarの画面左上にある「マイライブラリ」をクリックします。
- プロフィール画面で必要事項を入力します。(名前だけでもOK)
- 「次へ」をクリックします。
- 論文の一覧が表示されるの、名前やジャーナル名で検索し、自分が執筆した論文をすべて選択し「追加」していきます。
- プロフィールの公開設定を決め、「完了」をクリックします。
- プロフィール画面に移り、画面右に「h指標」としてh-indexが表示されます。
インパクトファクターの調べ方
インパクトファクターとは、Journal Citation Reports(JCR)が毎年提供している、自然科学・社会科学分野の学術雑誌である「ジャーナル」の影響度を表す指標です。
1年間のある「ジャーナル」で、その直前の2年間に載った全ての論文の被引用件数を、掲載論文数で割ることで算出できます。
インパクトファクターを調べるには、JCRの有料契約が必要です。
その代わりに、Google Scalarでは、独自指標「Google Scholar Metrics」を提供しています。
インパクトファクターは過去2年間の被引用回数を対象にしているのに対し、Google Scholar Metricsは過去5年間を対象にしています。
Google Scholar Metricsを確認する方法
画面左上の「メニュー」アイコンをクリックします。
表示されるメニューから、「統計情報」をクリックします。
表示される統計情報内で、「ランキングの高い出版物」として表示されている内容をご覧ください。
出版物(ジャーナル)に対して、「h5-指標」と「h5-中央値」が表示されていますが、こちらが、Google Scholar Metricsの数値となります。それぞれが示す内容は以下の通りです。
表記 | 示す内容 |
---|---|
h5-指標 | 過去5年間の掲載論文数と被引用回数に基づいて算出 |
h5-中央値 | 被引用回数の多い順に論文を並べ、h5-指標の数値を上位の採用枠としたときの被引用回数の中央値 |
インパクトファクターに近い算出方法は、「h5-指標」になります。ぜひ参考にしてみてください。