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Google Scholarとは?信憑性や巨人の肩の上に立つの意味

こちらの記事では、Google Scalarとは、という疑問への回答や、信憑性、「巨人の肩の上に立つ」の意味についてご紹介していきます。

論文を探す方、書く方にとっていまや欠かせないツールとなっているGoogle Scalarについての情報を詳しくご紹介します。

Google Scholarとは?

Google Scalarとは、2004年11月18日からGoogleが提供する、検索サービスの一つです。主に学術用途で用いられ、論文、学術誌、出版物を検索を対象としています。

つまり、一般的なGoogle検索のような操作感で、論文、学術誌、出版物を探すことができます。

その使いやすさから、多くの研究者、学生などに利用されています。

Google Scalarの特徴は、ネット上に散らばっている同一論文をまとめて表示する点にあります。

論文本体が有料のメディアに投稿されている場合でも、筆者のWebサイトに論文が無料でアップロードされているなどの場合は、Google Scholarを使ってその論文本文にたどり着くことができます。

Google Scholarが読めない?読み方について

Google Scalarは、「グーグル スカラー」と読みます。scholarという単語は日常ではあまり使われることがないので、初見で読める日本人は少ないかもしれませんね。

Google Scholarの意味

「scholar」の意味は「学者」です。公式の発表はありませんが、Googleの学者向けサービスとして「Google Scalar」と名付けられたのではないかと思われます。

Google Scholarの論文数の推移

Google Scalarで検索対象となる論文数の推移は、残念ながら発表されていません。

しかし、無料で、かつGoogle検索と同じ感覚で検索ができるといった、利用者にとっての利点も多く、2014年から現在までと、長期間にわたって続いているサービスであるということも顧みると、論文数は右肩上がりに増えていると予想されます。

Google Scholarの巨人の肩の上に立つとは?

Google Scalarのトップページに書かれている標語「巨人の肩の上に立つ」(Standing on the shoulders of giants)は、12世紀のフランスの学者・シャルトルのベルナールの有名な言葉です。

意味合いとしては、現代の学問は多くの研究の蓄積の上に成り立つということで、Google Scalarを使うユーザーへの、Googleからのメッセージであると考えられます。

Google Scholarは無料?料金について

Google Scalarは一般的なGoogle検索とおなじく、無料で使用することができます。

無料で世界の論文を簡単に探すことのできるという点で、多くの利用ユーザーを獲得しています。

Google Scholarのアプリはある?

残念ながら、Google Scalarのアプリは2023年5月現在、リリースされていません。

アプリはありませんが、Webサイトをホーム画面から開くことのできるショートカットを配置することで、アプリ感覚でGoogle Scalarを利用することもできます。

普段使用しているブラウザによって操作方法は異なりますが、一例として、iPhoneにプリインストールされている「Safari」での操作方法をご紹介します。

アイコン

Google Scholarのページを開いた状態で、「共有」アイコンをタップします。

項目を選択

表示される項目の中から、「ホーム画面に追加」をタップします。

追加

画面右上の「追加」をタップします。

完了

以上でホーム画面への追加は完了です。アプリと同じように、Google Scholarを使いたいときにこちらのアイコンをタップして、利用してみてください。

Google Scholarの信憑性と査読付き論文について

まず、Google Scalarに掲載されている論文の“信憑性”ですが、これはその論文によるため、何ともいえないというのが実情です。

ただし、基本的に学術誌に掲載された論文のみが結果画面に表示されるため、一定の信頼がおけるという考えもあります。

「査読付き論文」とはその文字通り、投稿された論文が学術雑誌(ジャーナル)の掲載に値するかを精査するプロセスを通過した信頼性の高い論文のことです。

上記の通り、Google Scalarに掲載される論文は、学術誌に掲載された論文のみ表示されるので、検索結果として「査読付き論文」も多く表示されます。

ただし、灰色文献、査読されていない論文やレポートなども表示されることもあり、査読付き論文だけを絞り込んで検索することはできません。

査読付き論文のみを探すデータベース

Scopus

「Scopus」は査読付き論文のみを探すことのできるサービスです。科学・技術・医学・社会科学・人文科学を網羅する、世界最大級の抄録・引用文献データベースです。

機関登録されている大学などの組織に属している場合は、自己負担なく利用できますが、属していない場合は個人での有料契約が必要になります。詳しくはホームページをご覧ください。

Google ScholarとPubMedの比較

Google Scalarは、幅広く多くの分野の論文を検索対象としているのに対し、PubMedは、生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を掲載する論文に検索対象を限定しています。

そのため、生命科学、生物医学のより詳しい情報を検索したいという場合は、PubMedの使用をおすすめします。なお、PubMedも無料で利用できます。

基本的な二つのサービスの使い分けに関しては上記の通りですが、その他の観点においてもいくつかの特徴があります。以下の表にまとめましたので参考にしてみてください。

 Google ScalarPubMed
生命科学、生物医学の情報精度学術論文以外の内容も検索対象となるため専門的な内容に絞った検索制度はやや低い専門分野であり検索対象を学術論文に限っているため情報精度は高い
検索結果のリンクフルテキストが提供されている場合はフルテキストへのリンク抄録へのリンク(抄録のページにフルテキストへのリンクあり)
ソート順キーワードに対し関連度の高い順(引用回数など)出版年の新しいもの順
引用回数に関する指標確認できる確認できない