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グーグル アースで三峡ダムの地図(航空写真)を見る
グーグル アースでは世界中の地図(航空写真)を見ることができますが、中国にある三峡ダムが歪んでいるとの情報が世界中に広がったことがあります。
はたして、それは本当だったのでしょうか?
この記事では、三峡ダムの概要やグーグル アースで三峡ダムの地図(航空写真)を見る方法について説明します。
現在でも歪んで見えるのか、ぜひご自身の目で確認してみませんか?
三峡ダムとは?
三峡ダムは、中国・湖北省宜昌市の長江流域にある重力式コンクリートダムです。
湖水面積で比較すると琵琶湖の約1.6倍、貯水量だと黒部ダム湖の約200個分あり、その大きさに驚かされるでしょう。
また、観光地としても有名で、長江三峽クルーズツアーに参加すると、実際に近くで見ることもできます。
三峡ダムには世界最大の「三峡ダム水力発電所」がありますが、電力を生み出すことだけが建設の目的ではありません。
長江の洪水を抑制し、国民を守ることの方が大きな目的なのです。
もしダムが決壊すると数億人の被災者が出ると予測され、近隣の都市だけではなく、上海にまで被害が及ぶかもしれないと言われています。
そして、その三峡ダムが歪んでいるのではないかという情報が、2019年に中国だけではなく世界中に広まりました。
Google Earthで三峡ダムが歪んでいる?
三峡ダムが歪んでいるという情報は、2019年7月1日に投稿されたツイッターが始まりでした。
「三峡ダムが変形している。ひとたび決壊したら、中国人の半分が塗炭の苦しみ(耐え難い苦しみの意味)におちいる」とまっすぐな三峡ダムと変形した三峡ダムを比較した写真とともに投稿されたのです。
そして、Google Earthで見た三峡ダムが歪んでいるという情報が世界中に広まりました。
もし、この情報が本当であれば、三峽ダムが決壊する可能性が高くなり、多くの被害者を出すことになったでしょう。
しかし、その情報が広まった後でも三峽ダムは決壊していません。情報は「デマ」であったと考えられています。
どのくらい歪んでいたのかGogle Earthで確認したいところですが、残念ながら画像が更新されたため、現在の三峡ダムに歪みは見られません。
過去の三峡ダムは見ることができませんが、現在のまっすぐの三峡ダムの姿を実際に見てみましょう。
Google Earthにアクセスします。
三峡ダムをグーグル アースで見る方法
現在の三峡ダムに歪みはありませんが、実際にWEB版のグーグル アースで見る方法をご紹介します。
「検索」アイコンをクリックします。
①検索ボックスに「三峡ダム」と入力し、②表示された候補を選択します。
現在の三峡ダムが表示されますが、歪みは見られません。①概要欄の「✕」をクリックし、②「-」をクリックしてズームアウトしてみましょう。
全体の写真を見ても、歪みはありません。この写真は「3D」なので、次は「2D」で見てみましょう。「2D」アイコンをクリックします。
2Dで見ても歪んでいないことがわかります。
Google アースで地図に歪みがある原因
実は、Google アースで見た地図に歪みがあるのは三峽ダムだけではありません。
例として、瀬戸大橋を見てみましょう。
これがGoogle アースで見た瀬戸大橋ですが、歪みがあるのがわかります。
もしこれが事実であれば、修復工事を行っているでしょう。
次は、台湾桃園国際空港の滑走路を見てみましょう。
明らかに歪んでいるのがわかります。
このまま飛行機が離発着していれば、大変なことになっているのではないでしょうか。
では、Google アースで地図に歪みがある原因は何なのでしょうか。
Google アースの写真は人工衛星や航空機のカメラを使用して撮影されており、レンズの中心に光束が集まる中心投影になるため、レンズの中心から対象物までの距離の違いによって対象物の像にズレが生じると言われています。
また、Google Earth ヘルプには、航空写真と鳥瞰写真について「数日または数か月にわたって撮影された画像が合成されている場合、こうした画像は1つの画像として表示されますが、地図上でカーソルを動かすと日付が変わる場合があります。」と記載されていました。
画像が合成されていることによって、歪みが生じているとも考えられます。
歪みがある場所は、他にもまだまだあるかもしれません。
画像の更新によって修正されたものもありますが、ご自身で探してみるのもおもしろいかもしれませんね。